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ASEAN経済共同体の発足によるメリット4つ:どのような経済効果を生み出すのか?(2)

time 2015/12/25

ASEAN経済共同体の発足によるメリット4つ:どのような経済効果を生み出すのか?(2)

ASEAN経済共同体の発足によるメリット4つ:どのような経済効果を生み出すのか?』では、ASEANの基礎データをまとめた。

ASEANは、10か国から成る経済圏であり、そのマーケットは6億人、域内の名目GDPは1.8兆ドル、域内貿易額は2.1兆ドルに上る巨大なマーケットです。

そして、2015年末にはASEAN経済共同体(AEC)が発足する。

なぜAECが発足されるのか、発足によってどのような経済効果が期待されるのかを考えていきたい。

 

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ASEAN経済共同体(AEC)とは?

ASEAN経済共同体は「ASEAN Economic Community」の頭文字をとったものです。

ASEAN域内の『ヒト・モノ・カネ・サービス・投資』の動きを自由化、基準を共通化することで、内需・貿易・投資の拡大をするための経済統合のこと。

ASEAN主要国の注目点と経済への影響 (1)

ヨーロッパでは、『欧州連合(EU)』が発足しているが、AECと比較すると相違点は何か。

一番の相違点は、AECが経済協力に絞っているという点である。EUは、法整備、金融政策など政策が緊密である。

また、EUに関して言うと、共通通貨がある他、人の移動に関しても原則的に自由。

 

AEC発足の理由とは?

AECの発足理由は以下の4つにまとめられる

  1. 単一市場と生産基地
  2. 競争力のある経済地域
  3. 公平な経済発展
  4. グローバル経済への統合

 

1.単一市場と生産基地

ASEAN域内での関税撤廃を皮切りに、物品、サービス、投資、熟練労働者の自由な移動を実現し、国境の垣根を取り払うことでASEANを1つのの経済圏へと統合する取り組み。

「ヒト・モノ・カネの自由」ということで経済的なプレゼンスを高めることを目標に掲げているということですが、ポイントは『関税撤廃』です。

物品の自由な移動という点で、関税撤廃は順調に進んでいます。

域内平均関税率

シンガポール、タイ、マレーシアなどの先進加盟国に関しては、2010年にすでに関税0%が達成。

ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアなどの後進加盟国に関しても、関税が撤廃される予定です。

ただ、関税撤廃が進んでも、貿易数量の制限や自動輸入の禁止など、非関税障壁は各国依然として多く残されており、それらを解決することが今後の課題となるだろう。

 

2.競争力のある経済地域

競争政策、インフラ整備、税制などの共通の枠組みを作ることがテーマとして挙げられている。

アジア圏に旅行に行ったことがある人は分かるだろうが、まだまだ社会的なインフラが整っていない部分が多く、不便である。

今後は、ソフト面・ハード面ともに整備していく必要があるのだが、資金不足や政治的混乱によりなかなか政策が進んでいない。

 

3.公平な経済発展

現在の問題として、経済的な格差の拡大がある。

ASEAN加盟国間の格差は、最大で50倍にもなる。それを改善してくために、中小企業支援や人材育成を実施しているが、まだまだ効果が出るのに時間がかかるだろう。

その国々の経済力を上げるためには、国自体の経済的発展は必要不可欠である。

経済成長を遂げる中で、徐々に内需も拡大していくと思う。

 

4.グローバル経済への統合

ASEANは既に、周辺地域とFTAネットワークを構築している。

 

AECはどのような経済効果をもたらすのか?

AECが発足されることでどのような経済効果をもたらすのか。

僕は以下の4つの効果があると思いました。

  1. ヒト・モノ・カネの移動が緩和され、コスト削減につながる
  2. ヒト・モノ・カネの移動の増加による経済的発展の促進
  3. AECによる経済成長の押し上げによって所得が増える
  4. ITインフラ・サービスの需要の顕在化と拡張

 

1.ヒト・モノ・カネの移動が緩和され、コスト削減につながる

移動規制が緩和されることで、コスト削減につながる。

例えば、製造業などの場合、関税撤廃によって、調達コストを抑えることができたり、生産拠点を適正化することで、事業拡大などにも繋がるでしょう。

また、人材の移動が現在よりも緩和されていけば、新規事業の展開などもやりやすくなるだろう。

 

2.ヒト・モノ・カネのの移動の増加による経済的発展の促進

移動量が増加することで、社会インフラの整備の需要が上昇し、インフラ整備が進んでいくでしょう。

また、ASEAN域内におけるクロスボーダー物流ニーズの増大のほか、特に後発国における、鉄道・空港・道路・港湾等、交通インフラ整備ニーズの拡大、セメントや建材、輸送用トラック・建機等、物流インフラ周辺ニーズの拡大が見込めるだろう。

 

3.AECによる経済成長の押し上げによって所得が増える

経済成長に伴い、物価の上昇、賃金の上昇など、いわゆるインフレが進んでいくでしょう。

最も注目すべきはASEANにおける中間所得層の増加でしょう。

2015年時点の6,700万世帯に対し、2025年には1億2,500万人がASEAN域内で中間所得層入りします。

日本では、単身で300万円~600万円ほどの年収を持つ世帯が中間所得層と呼ばれますが、このクラスに入るとある程度の可処分所得を持ち、消費購買意欲が活発になります。

中国でも総資産5万ドル〜50万ドルを保有する『中間層』が1億人を超えています。

これとASEANの中間層と比べるととんでもない数の富裕層が存在することになる。

これによって、消費者の購買心理や需要も変わってくるだろう。

今は、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電などの需要が高まっていると思うが、中間層が増えることで、彼らは高級消費財や健康、ヘルスケア、エンターテイメント関連への需要が伸びると予想できる。

 

4.ITインフラ・サービスの需要の顕在化と拡張

ASEAN地域が1つの経済圏になるということは、今後は人の移動の自由化も増すだろうし、企業のあり方も変わってくる。

シンガポールに本社を構え、マレーシアで1つの事業を行い、ミャンマーではインフラ関連のビジネスなど、活動範囲が幅広くなることが予想される。

その中で、必要なのは、情報のやり取りや管理、通信です。

クラウドサービスやマーケティングオートメーションなどのITサービスへの需要は今後も伸びていくでしょう。

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