書評:成毛氏著のamazonの世界最先端・最高の戦略とは

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書評:amazonの世界最先端・最高の戦略とは

Amazonのサービスが僕たちの生活に欠かせない存在になっている。

Amazonがなかったら、僕たちは生活できなくなるほど、サービスが浸透してきています。

主なサービス

  • マーケットプレイス
  • AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)
  • FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)
  • Amazonレンディング
  • AmazonEcho

Amazonがネット通販の雄であることには異論がないと思いますが、アメリカのネット通販市場ではアマゾンのシェアは4割りを超えています。その取扱高は20兆円に達しようとしています

Amazonがなかったら、商品を安く購入できない。

物を送ることができない。

多くの企業のインターネットサービスが停止してしまうなど、生活に欠かせない存在になっています。

Amazonが秘密主義なのはなぜか?

「テキサス州ヒューストン育ち。

プリンストン大学を卒業し、金融業会を経て、インターネットビジネスの将来性に賭けて起業」というのが公開されている経歴だ。

1964年1月12日生まれで、子どもが4人いる。中肉中背のスキンヘッド。どの写真を見ても目だけは笑っていないという印象がある。

保有資産は1120億ドル(2018年時点)。

引っ込み思案、人嫌いなどとも言われ、最近ではほとんどメディアには登場しない。

家族との時間を大切にするという理由らしいのだが、本当のところは不明だ。(28ページより)

Amazonはネット通販会社だと思われていましたが、実はクラウドサービスで稼いでいることがわかったのも数年前の話。

最近発売されたAmazon Echoの販売台数も正確な販売実績は知られておらず、500-1000万台と言われています

 

Amazonが秘密主義なのは、「顧客の利益」を掲げる中で、第3者機関へデータを開示したりするのが時間の無駄ということなのでしょうか。

事業部制によって、圧倒的なスピードと成長力がある

一般的な会社の事業はというと、社内の一事業という立ち位置で、全体的には1つの会社にあります。

つまり、会社全体の利益のためというつながりの下で動いている。

 

トップの方針と事業部の思いが衝突することもあるし、事業部同士は少しでも予算を獲得しようと、水面下で主導権争いをしています。

 

しかし、Amazonは事業部制を取り入れていて、完全に独立しています。

事業部制とは、対象の事業に一定の裁量を与えて業績に責任を持たせる経営方法です。

アマゾンの場合、完全に独立しているように見える。

事業部門のひとつひとつの責任者は、おそらくアマゾン全体のことまで考えていない。

たとえばAWSの責任者は自らをネット通販とはまったく関係ない事業と言い放つし、近い将来にネット通販の売上を抜くとも言っている。

そこにはまったく他の事業や会社全体に対する気兼ねが感じられない。自分の事業しか見ていないように映る。

トップが自らコントロールせずに、現場に裁量を与えることで、事業部が本社の判断を仰がずに素早い意思決定ができる。アマゾンが急成長を遂げている理由のひとつでしょう

サービスをすぐに横展開できないかを考える

Amazonの基本姿勢は、 本業をする上で生まれた技術やサービスで横展開できそうなものがあったら、それを育てる

あるいは、近接する領域の事業があったら、それに乗り出すというスタンスです。

 

FBAもそうだし、今Amazonの中で稼いでいるAWSも該当するでしょう。

 

Amazonの大きな特徴は、新しい事業を立ち上げるときに、赤字覚悟で投資をいとわないこと。

これは、明確なアマゾン全社での戦略になります。

圧倒的なスピードでの成長を可能としているキャッシュフロー経営

アマゾンの資金で驚異的なのは、小売業界において突出したキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)です。

このCCCが「打ち出の小槌」のようにお金を出していきます。

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とは?

CCCとは、仕入れから販売までに伴う、(顧客からの)代金回収までの期間です。

この数値が「プラス」ならば、仕入れをしてから〇〇日後に代金が回収できるということを表します。

また、数値が「マイナス」ならば、仕入れをする前からその販売代金が手元に回収できていることを表します。

 

つまり、CCCは小さければ小さいほど良いということです。

Amazonはフリーキャッシュフローを投資に回している

小売世界最大手のウォルマート・ストアーズの場合、CCCはプラス約 12 日です。

商品を仕入れて販売して、代金を回収するまでに約12日を要するということ。

小売業界の一般的なCCCはプラス10〜20日程度である。

 

なんと2017年 12 月のアマゾンのCCCはマイナス 28.5日でした。

つまり、物を売る約30日前に手元に現金が入っていることを指します。

売れる前から手元にお金が入る仕組みから、そのお金を展開している事業に投資をする。

積極的に4000億円〜1兆円の投資をすることで、他者との圧倒的な成長スピードを実現することができているのです。

Amazonが手がけるサービスについて

品揃えが大量で、安いを実現する「マーケットプレイス」の仕組み

Amazonのマーケットプレイスは、Amazonが始まったきっかけであり、売上の半分以上を占めるサービスです。

圧倒的な商品バリエーションを揃える

Amazonで取り扱っている商品数は3億5000品目以上(2016年時点)と言われています。

2016年のデータなので、現在はさらに商品バリエーションは増えているでしょう。

 

出品業者が増えていることが取扱商品数を増やしている大きな要因。

他のショッピングプレイスとの違いは、画面上ではAmazon直販の商品や出品者も同じフォーマットで買えることで、ユーザー側も「買いやすい環境」という点が大きそうです。

マーケットプレイスを利用したくなるFBA

FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)によって、商品の保管から注文処理、出荷、決済、配送、返品対応まで全てをAmazonがまとめて代行してくれるサービスです。

店舗がなくても、自社のECサイトがなくても、Amazonの倉庫に全部預けるだけで、自社の商品を売ってくれる仕組みを利用できるということ。

FBAを利用するメリット

  • 商品保管〜出荷までワンストップで管理してくれる
  • ECサイトを構築する必要がなり
  • プライムマークが利用できる
  • 越境ECが可能

これが、外部企業がAmazonのマーケットプレイスを利用したくなる理由であり、今ではFBAを使った配達は年間10億アイテム以上になっています。

Amazonの成長を加速させるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)

AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は、Amazonが提供するクラウド型のコンピューティングサービス。

このサービスは、世界では数百万、日本でも10万以上の企業に使われています。

AWSの営業利益は、2017年に43億ドル。前年に比べて約4割増えた。

アマゾンで最大の事業規模(売上高はAWSの約6倍)である北米のネット通販事業の営業利益は28億ドルの黒字だが、北米を除くネット通販事業(AWSの約3倍)はなんと30億円の営業赤字である。

じつは、ネット通販事業全体では儲けが出るどころか赤字なのがアマゾンの実態だ。

2017年のアマゾンの会社全体の営業利益が41億ドルに対して、一事業部門に過ぎないはずのAWSの営業利益が43億ドルなのである。

このことから、AWSがネット通販事業の赤字を補い、会社を支えていることがわかります。

AWSも自社で使用するために開発されたシステムだった

AWSはもともと、自社の小売業を円滑にするために開発されたものでした。

2000年代はじめに小売ビジネスを迅速に展開するために、インフラ(システムの基盤)を構築しようと決めて作られたサービスが、他の会社にも役に立つという想いからサービス展開されたのがきっかけでした。

AWSが企業に選ばれる理由は?

なぜAWSは、IBMやヒューレット・パッカードなどの本家IT会社を追い抜き、これほどまでに成長したのでしょうか。

 

それは、そのサービスが革命的だったからです。AWSは「クラウドのデパート」と呼ばれます。

AWSが安く、すぐに使えるサービスを揃えているからです。

毎年、機能強化や新サービスを驚くべき価格で打ち出している。

 

また、価格競争力も高い。

サービス開始からの約10年でなんと60回以上値下げしています。

サーバーを大量に調達し、コストを下げ、新たに顧客を呼び込むことでますます価格を下げ続けています。

このジャンルでも、アマゾンお得意の規模のメリットを最大限に発揮し、顧客への還元を続ける。

これでは、競合他社に勝ち目はないでしょう。

アメリカでのAmazonプライムの会員数は8000万人を超える

Amazonプライム会員になり、会員費を払うことで様々なサービスを利用することが可能です。

Amazonプライムの特典

  • Primeビデオ
  • Primeミュージック
  • Primeリーディング
  • 無料の配送特典
  • Amazon Photos

アメリカでのプライム会員数は8500万人に達したと言われています。

アメリカの人口が約3億2000万人なので、アメリカでは4人に1人がプライム会員ということになります。

Amazonの狙いはライフスタイルに入り込むこと

プライム会員の特典はやりすぎというほど充実しています。

映画、音楽、本も読み放題で、日本での年会費は3900円という破格です。

何故ここまでサービス過多なのかというと、ユーザーのライフスタイルに入り込みたいというAmazon側の狙いがある。

 

Amazon Primeに一度入会すれば、便利すぎるが故に脱会する理由が無くなります。

となると、Amazonで商品を購入する人が増えていき、データによれば、プライム会員の購入額は、会員ではないAmazonユーザーの2倍あると言われています。

送料無料を筆頭に、数百冊の本が読めて、送料特典もあるし、安く商品も購入することができる。

Amazon側は良いサービスを提供することで、会員が増えると同時に小売業の売上が伸びる。

競合他社を圧倒できる理由がここにあると感じます。

テクノロジーを組み合わせて新しいサービスを生み出す

Amazon Payで決済ジャンルの覇者になる

アマゾンは、自社サービスの外でも、プラットフォーマーとしての影響力を発揮しようとしています。

それが「Amazon Pay」と呼ばれる決済機能です。

新しいサイトでモノやサービスを購入するときに、わざわざ個人情報を登録したり、IDやパスワードを忘れたりして煩雑きわまりない思いをしたことがある人は多い。

アマゾンは2007年にアマゾンのアカウントを利用して買い物ができるID決済サービス「アマゾンペイ」を開始しました。

日本でも2015年5月からサービスを始め、大手衣料品サイト「ゾゾタウン」や劇団四季など1300社以上が導入しています。

無人コンビニを実現する「Amazon Go」

これが実現されると、Amazonは今後の小売業界のプラットフォーマーとなるでしょう。

Amazon Go

  1. 入店前にAmazon Goのアプリをインストールする
  2. 入り口にある読み取り機にそのバーコードをかざして入店する
  3. 棚から欲しい商品を持ち上げると、アプリのカートに商品が自動的に追加される
  4. 購入をやめたい場合は、一度選んだ商品を棚に戻すと、その商品はアプリのカートから自動的に削除される
  5. 入店の際に通ったゲートを通って外に出るだけで決済が完了される

実店舗・コンビニ業界に参入し、マーケットを支配することも想定されますが、Amazonの狙いは「無人コンビニ」を実現できるテクノロジーをパッケージングして販売すること。

これが実現できれば、ECサイトから得られたデータの活用やプライム会員向けのサービスも充実していきそうですね。

Amazonレンディング

アマゾンが持つデータは現時点での取引がわかる。

アマゾンは、マーケットプレイスを通じて、在庫管理や発送などの物流を代行している。

リアルタイムで商品が何個売れたかまでわかるのだ。

だから、外部の人間では知り得ない出店業者のモノの流れまでわかる。

決算書ではわからない情報をつかめれば、企業の資金繰りも把握できるようになる。

あとは融資の判断のための基準を決めれば、融資は全自動で行える。

このデータを武器に、アマゾンは、これまでの銀行の融資対象になりにくい会社へも融資をしている。

Amazonは銀行業を始めるかもしれない

アマゾンは銀行でも始めるのではと思われるかもしれない。

米国の金融界では、2018年にもアマゾンが中堅の銀行を買収して金融事業を拡大するとの噂です。

アメリカでは長年、大企業が銀行業に進出することを規制してきました。

これは1920年代に銀行が顧客の預金で博打的な投資を行い、多くの預金が失われたことによります。

しかし、

最近になり、金融規制当局が「規制を見直すべきだ」との見解を述べたことで、「アマゾン銀行」誕生の現実味が一気に増してきています。

まとめ:Amazonを学ぶと、最先端の戦略がわかる

上記のようにAmazonは様々な分野にあらゆるサービスを展開しています。

その中で軸としてあることが「本業をする中で生まれたサービスを横展開できないかどうかを考える。

そしてその事業に惜しげも無く投資をしていく」

 

これに尽きると思います。

 

Amazon Echo、配送、自動運転、ファッションなど、上記で紹介していないサービスもたくさんあります。

Amazonならではの仕組みの理解、今後のビジネス戦略の考え方など学べることがたくさんあり、ビジネスパーソンには必読の本です。