岩崎夏海氏著の『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読んだら』を読みました。
「もしイノ」を読んだまとめとして、イノベーションを起こすために必要な要素は何なのかをまとめたいと思います。
高校野球は、甲子園を目指す組織なのか?!『野球部』を再定義することで『居場所』を創造する
ドラッカーは、企業活動をしていく上で必要な要素は「マーケティング」「イノベーション」であると定義している。
『もしドラ』に続き今回も、高校野球が舞台になるのですが。
僕たちの固定概念として「高校野球=甲子園」と考えるでしょう。
つまり、高校野球の主役は選手にあるということ。
(試合に)勝ち進むことが目標であり、義務でもある。その結果、競争が起きるということです。
一方で、野球部のマネージャーである夢(ゆめ)、真実(まみ)が「イノベーションと企業家精神」のエッセンスを実践し、「そもそも、高校野球は甲子園のために存在しているのか?」という「高校野球」の定義から改め、高校野球界にイノベーションを起こしていく物語です。
イノベーションを起こすための7つの機会とは?
イノベーションを起こす上で、考えるべき7つの機会は以下の通りです。
- 予期せぬ成功と失敗を利用する
- ギャップを探す
- ニーズを見つける
- 産業構造の変化を知る
- 人口構造の変化に着目する
- 認識の変化を捉える
- 新しい知識を活用する
「高校野球=甲子園」つまり、選手が主役であるという固定概念がありますが、その常識を疑います。
夢(ゆめ)、真実(まみ)が所属している高校に、20数年ぶりに野球部が復活したのです。
しかし、選手がいないにも関わらず、マネージャーだけが6人も集まった。
その事実を「予期せぬ成功」と位置付けて分析することで、「野球部=マネジメントを勉強する場所」つまり、マネージャーが主体であると再定義するのです。
取り組みも変わることで、結果的に選手・監督も集まっていくのでした。
確かに、
冷蔵庫というと、食材が悪くならないための保冷庫という概念があります。したがって、寒い地域では売れないと。
しかし、常識を疑い、概念を再定義することで、「冷蔵庫=食材を凍りつかせない機能を持つ製品」と位置付けられ、北極のような極寒の地域でも製品を販売できるよう位置付けることができる。
『真摯』に受け止めて行動することが重要である
イノベーションを起こす、マネジメントをしていくためには、「真摯さ」が必要です。
この「真摯さ」とは、顧客が何を求めているのかということを、しっかりと理解しているということ。
そのためには、「ヒアリング(聴く)」ということが非常に重要であるということが、この本を読んで改めて気づかされました。
まとめ
KADOKAWA・DOWANGOの川上量生氏もこのように言っています。
みんなが思いつくような分かりやすい話には競争しか待ってないですよね。
ジブリだって、競争相手がいないから、自由に素晴らしい作品を作れるわけで。
僕は、選択肢の数って重要だと思っているんです。
選択肢が多ければなんとかなります。
選択肢の少ない世界は競争が激しいから、ひとつ失敗すると終わり。
KADOKAW・DOWANGOって、めちゃくちゃ選択肢が多いですからね。
-ニコニコ哲学より抜粋-
つまり、ここでいう選択肢は、「固定観念・先入観」とも言い換えられると思います。
常識を疑って、再定義する重要性と、それを実践する行動力。
この2つが掛け合わせることがイノベーションを起こすために必要な要素と言えるのではないでしょうか。
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