モスバーガーとマクドナルドの戦略から【ポジショニング戦略】を学ぶ

ブランディング戦略
スポンサーリンク

モスバーガーとマクドナルドの戦略から【ポジショニング戦略】を学ぼう

マクドナルドについて4、5年前までは業績が低迷していましたが、今は見事のV字回復を果たすことができました。

一方で、モスバーガーはというと、2019年3月期の業績予想は下方修正し、8億円の赤字になる見通しを立てています。

これは11年ぶりの赤字転落となるのです。

 

この両社の命運を分けたのは、なんだと思いますか。

 

それは、それぞれの【ポジショニング戦略】なのです。

この記事を通して、モスバーガーとマクドナルドがどのようなポジショニングで戦略を練ってきたのか。

ポジショニング戦略の立て方などをまとめていきます。

差別化戦略のモスバーガーVSコストリーダーシップのマクドナルド

モスバーガーとマクドナルドの売上分析をします

まずは、それぞれの業績をまとめます。

モスバーガーの業績については以下のようになっています。

2015年3月期の売上高は、660億円ということで最高を記録。

しかし

そこからはというと、売上高が伸び悩んでいるようです。

国内店舗数2位の『モスバーガー』を運営するモスフードサービスが、2019年3月期の業績予想を下方修正し、最終損益が8億円の赤字になる見通しを発表した。

食中毒事故を起こし、今まで培ってきた『信頼』を崩してしまったこともあり、2019年3月期は赤字になる予想です。

 

次に、マクドナルドの業績は以下のようになっています。

マクドナルドはというと、

「賞味期限切れの鶏肉使用問題」「異物混入問題」など食の安全に関わる問題が起きことを原因に、業績が下がっておりました。

しかし2015年以降は、

自社の強みを活かしたPRなどで2016年12月期の当期利益は50億円と黒字転換に成功しました。

モスバーガーとマクドナルドの違いは【ポジショニング】にあり!!

2社の戦略の違いはというと、それぞれの店内を見ると分かります。

モスバーガーの店内はこんな感じです。

一方で、マクドナルドの店内はというと、下記の図のようになります。

ご存知の通り、狙っている客層・購入しているお客さんが全然違うということです。

 

なぜ、客層が違うかというと

モスバーガーとマクドナルドが取っている戦略が違うからに他なりません。

 

では、その戦略とはどんな戦略なのか。

この戦略こそが【ポジショニング戦略】だと考えています。

モスバーガーとマクドナルドの戦略から考えるポジショニング戦略とは?

ポジショニングとは?

そもそもポジショニングとはなんなのかを説明します。

ポジショニングは、フィリップ・コトラーが提唱したマーケティング手法であるSTPマーケティング(「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つからなる)の一つとして知られています。

マーケティング、ブランディングを考える上で欠かせないものです。

ポジショニング戦略の目的は、ターゲット顧客の中に『差別化』イメージを植え付けること

ポジショニング戦略の目的はというと、ターゲット顧客の中に、自社サービス・商品の独自のポジションを築きます。

独自ポジションを築くことで、「他社とは違う」とイメージ付けさせて、差別化し、優位に立つために実施していくのです。

モスバーガーは、差別化戦略を図り、マクドナルドはコストリーダーシップ戦略取っている

具体的には、モスバーガーは

  • 国産野菜を使ったメニューの開発
  • 2等地に店舗を構える省投資戦略
  • フランチャイズオーナーとの強固な結びつき

モスバーガーの戦略は、消費者側にモスバーガーブランドの植え付けと、消費動向とのマッチング(健康志向)です。

 

一方でマクドナルドの戦略はというと「遊び心」と「お手頃感」が軸になっています。

  • 「絶対においしくない」チョコポテトの発売
  • 「名前募集」バーガー
  • ご当地バーガー
  • 「マック」なのか「マクド」なのか
  • 100円コーヒー

マクドナルドは、自分たちのお店に来ているお客さんは誰なのかがしっかりとわかっていて、自分たちのアイデンティティを活かした戦略ができています

だから、このような戦術ができるのでしょう。

モスバーガーとマクドナルドのポジショニングマップを作ると

モスバーガーとマクドナルドのポジショニングマップは下図のようになります。

 

ポジショニングマップを作る上でのポイント

  1. 細分化された市場でNo.1になれるか
  2. 新しいカテゴリーが創造できるか?
  3. 競合ブランドをジレンマに追いやれるか?

モスバーガーとマクドナルドの戦略の違いは、このようなポジショニング戦略から違いを発見することができます。

ポジショニング戦略は、【競争しないで勝つ】が目的です

差別化することが目的になりがちですが、【競争せずに勝てる】マーケット、認知形成をすることがポジショニング戦略の目的です。

よく陥りがちなミス

  1. 競合ブランドとの差別化に邁進し、どんどん素材が高価になったり、機能を追加したり、品質レベルを向上させていく。
  2. そしてこれらが「競合ブランドとの比較」の中で繰り返されるため「ラットレース」状態となる。
  3. そしていつか、物質的な機能や性能の向上が、生活者が必要としている臨界点を超え始める。
  4. この時、差別化競争によってもたらされた機能や性能は「過剰価値」となり、生活者から見たら「どうでもよい違い」として差別性は持たなくなる。
  5. 結果、日本製品は「多機能で高品質なのに」価格競争に陥ってしまう。

なぜ、モスバーガーは業績悪化を招いたのか

シェイクシャックなどの【高価格帯】ブランドの台頭

なぜ、モスバーガーの業績が悪化したのかというと、同じような戦略を取っているブランドが台頭してきたことが理由です。

その中でも高級ハンバーガーチェーンとして人気が高いのショップがシェイクシャックでしょう。

 

2015年に初めて日本に上陸シェイクシャックですが、今では全国に着実に店舗を伸ばしています。

 

シェイクシャックの特徴まとめ

  • 「ホルモン剤を一切使用していないアンガスビーフ100%のパティ(ハンバーグ)
  • ベジタリアン向けにパティの代わりにチーズを挟んだマッシュルームを揚げたシュルームバーガー
  • デザートのアイスでもコーンシロップなどの糖分は使用していない

健康志向メニューを多く揃えているのが、支持を集める大きな要因となっています。

 

ご覧の通り、ポジショニング戦略がモスバーガーと同様なのです。

他社との優位性を維持しづらくなっていることが、業績悪化の1つの理由となっているでしょう。

優秀なフランチャイジーが減少していること

モスバーガーの運用戦略として、直営店が少なく、優秀なフランチャイジーが多いことが特徴でした。

「初期の頃に契約して、惰性で続けていたオーナーとは契約を打ち切り、高齢化が進んだオーナーに対しては、専門部署を設けて世代交代を促した。結果的に、FCオーナーは690人から450人へと、絞り込まれていった。」

これは、なかなかできない行動ですよね。

結果的に、モスバーガーのブランド力を保ち、リーダー教育に力を入れることで、サービスの均等化が達成できたのではと思います。

 

しかし、最近では、直営店舗数がなんと300店舗以上に増えている

個人オーナーの高齢化に伴い、優秀な店舗が現象していることも理由として挙げられそうです。

まとめ

安いハンバーガーを食べたいというニーズは、当然あります。

レジスタッフのロボット化や自動化などを進め、コスト削減に努め、より安価なハンバーガーを提供することが結果的に他者との差別化に繋がります。

 

また、自分のアイデンティティを知り、それを活かした戦い方が重要であることが明確になりました。

孫子の言葉で次のような言葉があります。

彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず

敵の実情と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負ける心配はない。

敵の実情を知らず、味方のことだけを知っている状態では、勝つこともあるが負けることもある。

そして敵のことも味方のことも知らなければ、必ず負けてしまうだろうという意味です。

 

4、5年前までは業績低迷していたマクドナルドでしたが、

「遊び心」という自分のたちの得意領域・アイデンティティを再認識できたことが、今の快進撃へと繋がっていると考えています。

コメント