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インバウンド需要に応えるために、『民宿』は必要なのか?(2)

time 2015/11/24

インバウンド需要に応えるために、『民宿』は必要なのか?(2)

訪日外国人数の増加に対して、日本の宿泊施設の客室が追いついていないことを述べました。(参照:『インバウンド需要に応えるためには、『民宿』は必要なのか?』)

したがって、訪日外国人の受け入れを強化しなければならなくて、3つ方法があると考えています。

  1. 旅館の活用
  2. 新設ホテルを増やしていく
  3. 『民泊』つまり、空きスペースのシェアリングを実施していく

今回は、「1.旅館の活用」「2.新設ホテルを増やしていく」という2つの解決策について考えてみます。

 

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旅館の稼働率から見ると、まだ訪日外国人の受け入れ余力がある

まずは、「1.旅館の活用」について考えます。

旅館の定員稼働率にまだ余力があることを感じ、より稼働率を上昇させることで、不足している宿泊施設数・客室数を埋め合わせることができるのではないかということです。

日本のホテル客室数

旅館数は、30年前と比べても、ほとんど増減は見られません。ということは、かなりの数の旅館が存在していることが分かります。

旅館の稼働率

ビジネスホテルの定員稼働率と、ビジネスホテル宿泊者のうち、外国人が占める割合が高いとうい結果が出ています。

 

旅館の定員稼働率が低水準である5つの理由は?

しかし、図を見てみると分かるように、旅館に対する定員稼働率はまだまだ余裕があります。

旅館を利用することで課題を改善できると思いますが、「なぜ、旅館の定員稼働率はそこまで上昇していないのか」

  • 訪日目的とマッチしていない部分がある
  • アクセスが不便
  • インターネット環境が整っていない
  • 言語問題
  • プロモーションがうまくいっていない

 

訪日目的と旅館のあり方が乖離しているため

宿泊施設である旅館に対して、「訪日目的とマッチしていない」ということが仮説で挙げられます。訪日外国人数が上昇しています。

特に、中国人観光客の増加率は高く、2015年1月〜10月までの訪日中国人数は、400万人を突破しました。

中国人観光客の主な訪日目的は、『ショッピング』です。

電化製品、医薬品、化粧品、日用品など、中国人観光客による『爆買い』が注目されました。

1人あたりの旅行消費額の内訳として、買い物に充てる金額は一番高い。

すなわち、買い物を目的とした旅行であり、それをより効率的にするために、「駅に高いホテル」や「インターネット環境が整っているホテル」など宿泊施設に対して、『利便性』を求めるでしょう。

それと比較すると、旅館は「静かな場所にある」「駅から少し離れている」というイメージを受けます。

よって、訪日目的と旅館のあり方がマッチしていないことが、図の稼働率に表れているのではないでしょうか。

 

ITインフラが十分に整っていない

各地域にある旅館をイメージすると、なんだか古臭い・廃れているようなイメージを受けます。

それに付随し、インターネット環境、Wi-Fi環境などのITインフラがしっかりと整備されていないでしょう。

訪日外国人の受け入れを強化していく上で、IT化は必須条件です。

訪日中国人は、We ChatやWeiboなどのソーシャルメディアを利用して、買い物するアイテムを検索し、買ったものをタイムラインに投稿します。

また、その他の訪日外国人に関しても、調べ物やソーシャルメディアなどをする上で、インターネット環境が整っていることは重要です。

その点が、ビジネスホテルなどと比較すると、ウィークポイントであるのではないでしょうか。

 

訪日外国人に対しての『旅館』のプロモーションがうまくいっていない

それに伴い、旅館のプロモーション活動が活動ができていないことも挙げられる。

つまり、そもそも訪日外国人がその『旅館』の存在を知らないということが考えられます。

FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアや、YouTubeなどの動画プラットフォームを活用する必要があります。

プロモーション戦略を立てて、しっかりと情報発信をし、(潜在的な)訪日外国人に対して、アピールすることが重要でしょう。

  • 温泉に入りたい
  • 日本文化を体験したい
  • 和室に興味がある
  • 日本料理を食べたい

これらの目的で訪日する観光客も多いです。

プロモーション次第で、まだまだ伸びると思います。

 

新設ホテルの建設は難しい?

2つ目の解決案である「2.新設ホテルと増やしていく」についてです。

需要と供給をバランス良く保足せるために、単純に上昇する需要に対して、ホテル数を増やすという方法です。

しかし、これが難しい理由があります。

それは「コストがかかる」と言うこと。

当たり前かもしれませんが、建設コスト以外にも、ランニングコストとしての維持費用が問題になってくるのではないでしょうか。

まずは、主要企業の客室稼働率です。

主要企業の客室稼働率

高い稼働率を維持しています。2011年は東日本大震災が起こったことで、外国人利用者含め、利用者が減少したのでしょう。

主要企業の客室利益率

それに対しての、営業利益率の推移です。

高い稼働率の割には、営業利益率は高くありません。むしろ、2011年の宿泊者数が減少した時は、マイナスに推移した企業も存在します。

したがって、ホテル運営において固定費用が高いということ。建設コストで莫大な資金を使用した上で、多額のランニングコストが発生します。

ホテル・旅館の倒産件数

帝国バンクによる、調査によると、ホテル・旅館業の倒産件数は100件。

コスト面を踏まえて、倒産理由を考えると、慢性的な利用者が減少したことで、(ランニング)コストが支払い切れず、倒産してしまうケースが多いと予想できます。

訪日外国人が今後も上昇するということで、中期的に需要が見込まれても、コスト的な部分を意識すると、安易に新設ホテルを建設するという選択肢を取るのは難しいのではないでしょうか。

 

まとめ

「旅館の活用」「新設ホテルを増やしていく」という解決策について詳しく述べましたが、それぞれに問題がありました。

次回は、「3.『民泊』つまり、空きスペースのシェアリングを実施していく」について詳しく考えていきます。

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