読み手に響くコンテンツを届けるためにはどうすれば良いのか。
それは、ペルソナ設定により、『読み手』を明確にイメージすることが大切であると思っています。
その中で、読み手の行動を可視化して、
「誰に」「何を」「どんな形で」届けるのかはっきりと位置付けるための戦略が必要です。
そのためには
日常生活の流れの中で、読み手・ユーザーがどのように行動し、どのように感じるのかを捉えることが必要です。
そこで、必要なツールが『カスタマージャーニー』です。
『カスタマージャーニーマップ』ユーザーの行動・心理といった要素を可視化する
カスタマージャーニーマップとは?
一言でいうと、『ユーザーが購入に至るプロセス』のことを言います。
ユーザーがどのようなブランド・サービスに関心を持ち、購入意欲を駆り立てられ、サービスの購入に至るのかという道筋を
『旅』に例えて、ユーザーの行動や心理状態を時系列に沿って、可視化するためにマッピングします。
カスタマーエクスペリエンスの向上のために、顧客理解を深めて、改善点に対する具体的な施策を考えるために利用される思考法の1つであると考えています。
サービスをデザインする際に、「inside-out」と「outside-in」という2つの視点があります。
「inside-out」はサービス提供側の視点で、サービスを提供する流れを示す「サービスブループリント」(Service Blueprint)という手法が代表的です。
それに対し、「outside-in」は顧客側の視点に立ち、どのタッチポイントでどんな感情を抱きながら体験していくかという一連のプロセスを「旅」に例えて図式化にするものが、「カスタマージャーニーマップ」(Customer Journey Map)です。
カスタマージャーニーマップの作成方法
実例の通り、マッピングには『顧客行動を理解して、ユーザーエクスペリエンスを高める』という軸は存在していますが、
マップの内容については、作成者の特色が表れてきます。
カスタマージャーニーマップには標準的なテンプレートが存在せず、業界やサービスの性質などによって表現方法は多様ですが、①目的・対象 ②タッチポイント ③顧客行動 ④思考・感情 ⑤課題・改善点 を基本的な構成要素としてご参考に提示しています。
①企画立案
Webサービスの機能、コンテンツ検討、キャンペーンなどの企画
②5W1H分解
ユーザーの体験を5W1Hに分解し、利用シーン毎の行動や気持ちを推測する
③定量調査/定性調査
5W1Hの想定のうち不確かな体験の状況をユーザーから引き出し、具体化する
④ラフマップ化
調査データを基に、議論し、ユーザー行動の文脈やモデルを明らかにする
⑤マップ化
AS-IS(現状)の行動モデルをマップ化し、関係者との共有・合意形成の場で利用する
というプロセスを紹介しましたが、抽象的な表現なので具体的にどのようなことを実行するのか考えてみました。
①企画立案
カスタマージャーニーマップを作成する上で、対象となるサービスや製品、コンテンツを決定し、
マップを作成する目的を考えていきます。
②5W1H分解
ユーザーが自社と接触する行動パターンを洗い出し、仮設を立てるための枠組み作っていきます。
1.行動プロセス
- サービスの認知
- サービスの利用
- サービスを利用した後
のようにプロセスを分解します。
2.分析項目
『行動プロセス』を踏まえて、どのような顧客分析をしたいのか?その項目を考えていきます。
- 顧客視点
- 顧客心理
- 顧客思考
- 考えられる懸念点
- それに対する対応策
目的に応じて、項目を絞ることが大切であると思いました。項目数が増えることで、目的を見失いますし、
時間的コストが掛かるためです。
③定量調査/定性調査
ユーザーにインタビュー・ヒアリングし、分析を行い、考えられる顧客視点を洗い出します。
調査項目は
- いつ各チャネルと接触したのか?
- どのようなチャネルを使っているのか?
- チャネルから購買までに要する時間は?
- どこで知ったのか?
- なぜ、サービスを利用したのか?
など、様々な視点から顧客分析をすることができます。
④ラフマップ化
⑤マップ化
顧客視点を分析した内容をマップに落とし込んでいきます。
それぞれのプロセスにおいて、ユーザーの心理状態がどのように変化していったのかということを
ポイントに置きながらマッピングしましょう。

出典:『カスタマージャーニーマップで顧客の心を見つめてサイトを改善、5つの作成ステップと7つの実例』
このようにラフマッピングをする際には、ブレインストーミングをし、アイデアを発散させることも有効な手段であると思います。
まとめ
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客視点に基づいて考えることができますが、
打ち出す施策を考える段階で、『何をするか?』つまり『what』思考になってしまう傾向にあり、結局、顧客視点
に基づいたプランができなることが考えられます。
『なぜ、顧客視点で考えるのか?』『カスタマージャーニーマップを作成した理由は?』『なぜ、ユーザーエクスペリエンスを良くしたいのか?』
『why』思考に切り替え、今までなかった手法で、顧客の状況に応じた適切なサービスを提供するために役立てていきたいです。