日本の『ハロウィン』が観光地化するほど、人気なコンテンツになっていることを知っていましたか?
今年のハロウィン市場は、1200億円規模の市場になる見通し。(参照:『ハロウィン目当てに訪日客…SNSが魅力を拡散、バレンタインと並ぶ1200億円市場』)
わずか20年足らずで、バレンタイン市場と同じ規模にまで成長しました。
成長を後押しした理由として、スマートフォンとFacebookやTwitter、Instagram(インスタグラム)などのソーシャルメディアの普及が挙げられます。
今回の記事を通して、「何故、ハロウィンは流行ったのか」「ソーシャルメディアを通して、コンテンツを拡散するためのポイントとは何か」を考えていきたいと思います。
ファンにどんな価値を提供しているのかを明確にすることで、それが独自性を見出す
そもそも『ファンに』『何を』『どのように』
価値を提供しているのかを考えることで、それが他のサービスとの差別化になり、サービス自体の独自性になります。
例えば、矢沢永吉はアーティストの1人ですが、彼は『歌』を売っているのでしょうか。

矢沢永吉が売っているのは『生き様』だと僕は思いました。
確かに最初は、「矢沢永吉のこういう歌い方が良い」とか「こういうメロディーが最高」といったように、『技術的な要素』に価値を見出して、ファンが出来上がった部分はあります。
そして、行き着く先が『生き様』
「生き方に憧れる」といったように、モノには見出せない『価値』を提供し、それは、値段に変えられないと強く思いました。
次に考えるのは、『ハロウィン』
ハロウィンは、どんな価値を提供しているのか。
それは、普段の自分とは違った自分を演じられる『場所』『きっかけ』の提供。
そして、それを(あまり知らない人を含め)みんなで騒いで盛り上がれる。
みんなで写真を撮ったりして、Instagram(インスタグラム)などのソーシャルメディア上に投稿して、「今の僕は仮装している」とか「こんなことしたね」など話の話題にしたりします。
バレンタインは、1対1の関係性にスポットを当てたイベントですが、
ハロウィンは、複数人を巻き込んで、自己実現欲を満たせるような『体験』を提供しているのでしょう。
以上のように、『モノ』には代替できない価値を作り上げることで、それがそのサービスの独自性になり、人を惹きつけるポイントになります。
ソーシャルメディアの普及によって『自分』を発信する場が増えたこと
ソーシャルメディアを通して、『自分』を発信する機会が増えました。

Facebookは、1日の利用者数が10億人を超えました。
また、Instagram(インスタグラム)を利用するユーザーは、4億人を超え、日本でも倍増の810万人のユーザーが利用しています。(参照:『Instagram、MAUが4億人突破 日本は倍増の810万人超』)
ソーシャルメディアを通して、以下のような内容が主に投稿されるでしょう。
- 日常生活の一部
- 興味・関心事
- ニュース
それを踏まえて、ハロウィンは
普段と違った自分を演じる、非日常という観点から、ソーシャルメディア上に投稿されやすい要素ということが言えるのではないでしょうか。
拡散させるために必要な6つの原則とは?
ソーシャルメディア上に投稿されても、他のユーザーが見てくれなければ、拡散は促せません。
拡散させるためには、以下のフェーズが必要になります。
- 『自分ゴト』化すること
- 『みんなゴト』化すること
つまり、『共有』できる要素になってから、『共感』してもらい、『共鳴』することで『みんなゴト』になると考えます。
したがって、
- 話せる要素であること
- 話題になる要素であること
- 共有したくなるような要素であること
以上の、3つのポイントを作り出すことが大切です。
そのポイントを作り出すためには以下の6つの原則を踏まえる必要があります。
- ソーシャルカーレンシー
- トリガー
- 感情
- 人の目に触れる
- 実用的な価値
- 物語
1.ソーシャルカーレンシー
話題に取り上げてもらうためには、
話し手が聞き手に対して『好ましい印象』を与えられるメッセージを打ちださなくてはいけない。
人が話して、『ドヤ顏』できるような話題性を持たせること。
2.トリガー
人々が、関連するモノを思い浮かべるきっかけとなる要素です。
頭の中によぎるものは、話題に繋がります。つまり、人が思い出しやすい要素を含めることが大切です。
3.感情
伝染するコンテンツは、なんらかの感情を呼び起こします。
感情を掻き立てられるコンテンツは、共有されやすい。
そういった意味で、ハロウィンは、「あ、楽しそう」「やってみたい」「え、渋谷にこんな仮装している人いるの」など、日常生活とのギャップを作り出すことで、感情を掻き立てていると言えます。
4.人の目に触れる
商品やアイデアを広めたければ、まずは人の目に触れられるような環境を作り上げること。
『仮装』は、ヴィジュアル的な要素を含んでいる。
5.実用的な価値
人は、他の人に役立つ情報やニュースを伝えたいと思います。
6.物語
人は、物語を伝えたがる。
商品やアイデアの中に『物語性』を入れること。
まとめ
Ultra Japan 2015というEDMフェスが行われたが、3日間で動員数が9万人に達し、95億円の経済波及効果をもたらした。
このフェスや、ハロウィンなどを考えると、今後も『体験型』のコンテンツは増えていき、需要も伸びてくると考えられます。
スマートフォンや、インターネットが普及している時代だからこそ、「如何にして遊ぶか」といったような娯楽を『リアル』で楽しむキッカケ作りが注目されていくでしょう。