尾原和啓氏著の『ザ・プラットフォーム-IT企業はなぜ世界を変えるのか-』を読みました。
マッキンゼー&カンパニーよりキャリアを始め、今までに様々な企業を経験してきた尾原氏の目線で「プラットフォーム」が持つ可能性について書かれた非常に読みやすい本。
プラットフォームとは
そもそも、プラットフォームとは何か。
プラットフォームは、個人や企業などのプレイヤーが参加することではじめて価値を持ち、また参加者が増えれば増えるほど価値が増幅する、主にIT企業が展開するインターネットサービスを指します。
少し専門的に言い換えれば、ある財やサービスの利用者が増加すると、その利便性や効用が増加する「ネットワーク外部性」がはたらくインターネットサービスです。
電車を乗るときにも、プラットフォームという言葉を使うが、何らかのサービスを提供するために、人を集めるような基盤ということ。
なぜ、今プラットフォームなのかというと、今後の社会のキーワードになるからだ。
スマホやインターネットが普及したことで、FacebookやAirbnb、Uberなどのサービスが誕生した。
つまり、スマホが最新テクノロジーを駆使したプラットフォーム開発を可能にし、インターネットの普及が、僕たちのプラットフォーム参加のハードルを下げた。
Facebookによって世界中の人とつながることができ、Airbnbでは、空室を宿泊場所を探している人に貸し出すことで、お金も得られる。遊んでいるリソースを有効活用することができるのだ。
プラットフォームによって、僕たちはモノを持たなくても良くなってくるだろうし、居住空間ですら自由にすることが可能になってきた。
そういった点を踏まえると、ITテクノロジー、プラットフォームというのは世界を変える原動力の一つになってきたということ。
各企業の様々なサービスを読み解くには、「共有価値観」を理解する必要がある
各企業は様々なサービスを展開している。
ビジネスを展開している裏にある「共有価値観」を理解することで、ビジネス上の戦略への洞察を深めることができることを尾原氏は教えてくれている。
例えば、Googleだ。

Googleの共有価値観は、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」。
検索エンジンも地図もYouTubeも、すべてこのミッションに基づいて、情報を集めて整理し、どこからでもアクセスできるように日々改善している。
そのビジネスの裏側には、マインドフルネスつまり「今目の前に置かれている現実や広がる可能性について集中してもらいたい」という哲学がある。
その哲学をもとに、人間がやらなくても良い部分は機械化ということで、自動運転車などの開発を進めているのだ。
日本の「コミュニケーション消費」が世界を変える?!
プラットフォームが成長してくためには、たくさんの人に使ってもらうことが重要なポイント。
Facebookのユーザーは、15億人を超えた。Airbnbは世界に100万室以上の客室数が登録され、6000万人以上のユーザーが利用した。
各企業のサービスが成長する中で、日本における「コミュニケーション消費」という概念が重要になってくるのではとのこと。
iモード時代から始まった「絵文字文化」は今ではLINEのスタンプなどにも反映されてきた。
また、Snapchatなんかではフィルター機能を使って動画撮影などをするコミュニケーション方法が生まれている。
インターネット時代のコミュニケーションにおいて、スタンプのようなツールを使って細かいニュアンスなども伝える文化が根付いてきているし、これからはコミュニケーション消費が増え、日本のノウハウやサービスも世界で受け入れられてくるのではと感じる。