書評

【要約】チャレンジャー・セールス・モデル|売れる営業の3つのコツとは

営業でどんな時でも成果を出す人と出せない人の違いってなんなのか?

営業に関連した書籍はたくさん出版されていて、「顧客視点で考える」「準備が重要だ!」と言った結論を述べる本も多い気がします。

けど、それって具体的に何をすれば良いのか分からなかったりしますよね。

チャレンジャー・セールス・モデルはというと、科学的に『売れる営業』について体系的にまとめられた素晴らしい本です。

「どんなときでも成果を出す販売員は、何が違うのか?」。そんな疑問から出発した調査は4年間、90社、6000人にもおよび、これまでの「営業」の議論を大きく覆した。

この記事を読むことで得られること
  • 『売れる営業』になるために必要なコツが学べます
  • 成約に結びつけるための営業の流れを理解することができます

これで成果が出る!売れる営業マンになるためのポイントは?

売れる営業マンになるために必要なポイントは何なのでしょうか?

売れる営業マンは『チャレンジャー』タイプである

営業マンは5つのタイプに分けることができます。

営業マンの5つのタイプ
  1. ハードワーカー(勤勉タイプ)
  2. チャレンジャー(論客タイプ)
  3. リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
  4. ローンウルフ(一匹狼タイプ)
  5. リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)

分析した結果、一番成果を出す営業マンのタイプは『チャレンジャー』であることが分かりました。

顧客と良い関係を構築しようとする『リレーションシップ・ビルダー』が一番良いのではと思いますが、高いパフォーマンスを出している営業マンのタイプでは少ないという結果に。

彼らは顧客からの信頼を得て、景気の好不況にかかわらず成果を出す。さらに、ソリューション営業は彼らの独擅場だ。複雑な販売環境でのハイパフォーマーのうち、実に54%が「チャレンジャー」なのである。

『チャレンジャー』になるための3つのポイントは?

では、高いパフォーマンスを出すチャレンジャーに必要なポイントは何なのでしょうか。

チャレンジャーになるためには?
  1. 指導
  2. 適応
  3. 支配

それぞれ、どのような定義かというと

  • 差別化のための指導:チャレンジャーが他の販売員と何よりも違うのは、市場での戦い方についての新しくて有益な教えを、顧客に提供できること。指導とはすなわち、顧客のビジネスに関する独自の視点を提供し、その視点を熱意を込めて的確に伝えることで、顧客を会話に引き込むこと。
  • 共感を得るための適応:その指導メッセージを様々な種類の顧客、並びに顧客組織内のさまざまな個人に適応させることができれば、メッセージは一層共感を呼び、顧客の印象に強く残る。
  • 営業プロセスの支配:チャレンジャーの特徴は、2つ。1つは、価格設定を含めてお金の話全般について主導権を握ることができること。もう1つは、顧客の考え方に異を唱え、顧客の意思決定サイクルに圧力をかけることができること。

売れる営業マンに必要な3つのポイントを具体的に説明していきます。

顧客には知見(インサイト)を指導すること

チャレンジャーは、顧客が市場で戦うための知見(インサイト)を提供できるという点が、他の営業マン(タイプ)と違う点です。

顧客ロイヤルティの38%がブランド、製品、サービスに起因し、9%がコストパフォーマンスに起因するとしたら、残る53%はなんなのか。営業体験そのもにには大きな差があると口にした。営業体験とは、顧客が売り手の業者と継続的にかわす実際の会話を指す。

顧客に影響を与えることができる7つ要素とは

では、顧客に選ばれるために必要な、影響力の要素はどんなものなのでしょうか。

顧客に影響を与える7つの要素
  1. (販売員は)市場に関する独自の価値ある視点を提供してくれる
  2. さまざまな選択肢を検討する助けになる
  3. 継続的なアドバイスを提供してくれる
  4. 「地雷」を避けるのに役立つ
  5. 新しい問題や結果について教えてくれる
  6. 購入しやすいサプライヤーである
  7. わが社で広く支持されているサプライヤーである

顧客は何を求めているかというと、どうすればコスト削減ができ、売上を伸ばし、新しい市場に進出して、リスクを削減することができるかなどのヒントを提供してもらうことを望んでいるということです。

最終的に顧客に選ばれるポイント、それは品質ではなく「知見の価値」、すなわち、顧客が気付かなかった。利益アップないしコスト削減の方法を伝授する、全く新しい情報やアイデアだ。

商談直結型の指導をするための4つの守るべきルール

顧客側に指導をする際に、気をつけるポイントがあります。

  • 自社ならではの強みにつながること
  • 顧客の仮説を覆すこと
  • 行動を促すこと
  • 他の顧客への拡張性があること

顧客に提供する内容は、自社ならではの強みにつながること

ライバルがあなたには歯が立たない、そんな能力に結びついている必要があります。つまり、自社の強みが顧客に指導する内容と関連付いていることが重要です。

「えっ?そうなの?」と顧客の仮説を覆すこと

商談の際に顧客側から、「全くその通り、そのせいで夜も眠れなかったのです」という反応をもらってしまうとそれは失敗です。

「えっ?そんな風に考えたことはありませんでした」という反応を得るような知見を提供しましょう。

そのためには、顧客側がどんなことに困っているのかを把握する必要があります。

「よし、やってみよう!」と顧客の行動を促すこと

行動を起こさせたければ、なぜ、そもそも行動・実行が重要なのかという、説得力あるデータを見せなければなりません。

他の顧客への拡張性があること

上記の内容が1社だけにしか当てはまるのではなく、周りの顧客へも拡張できて汎用性の高いものが良いです。

なぜかというと、拡張性が高ければ、体系的な仕組みとして作ることができ一定のパフォーマンスを担保できるからです。

指導的トークに必要な6つのステップ

顧客側に指導的アプローチをするための流れを説明します。

  1. 地ならし
  2. 再構成
  3. 裏付け
  4. 心を揺さぶる
  5. 新しい方法の提示
  6. ソリューションの提案

顧客の課題を明確にする:地ならし

まずは、顧客の課題を明確にするためにヒアリングを行います。課題を明確する際のポイントは、同じような企業であなたが見聞きする主な課題を説明することです。

他社との比較検討ができるベンチマーキングデータがあれば、それも提供していきます。

現状と課題とを結びつける:再構成

顧客が認めた課題を踏まえて、それらの課題を、彼らが気づいていない大きな問題、または
大きなチャンスに結びつけます。

提示する課題は、顧客側が気づいていないような新しいものでなければなりません。

「全くその通り!そのせいで夜も眠れないのです」ではなく、「えっ?そんな風に考えたことはありませんでした」という反応をもらいましょう。

その課題の解決策はなんなのか:裏付けをする

再構成がなぜ大切で有効なのかを説明します。

私たちのソリューションを使えば、需要な課題を経済的に解決できます。と証明する前に、そもそもその課題を解決する価値があることを、顧客に納得させなければなりません。

「うちもそうなのかな?」:心を揺さぶる

「それは、わかるけど、うちは違うからな、、」と反応が返って来がちです。

そんな時はこのように対応しましょう。

「御社が少々違うのはわかりますが、他の企業でも同じような事例が何度もありました。ちょっと、ご紹介させていただけますか、、、」と他社事例を共有します。

そして、次に話す内容で、うちもそうだと顧客にすぐ実感させていくのです。

課題解決のための新しい方法の提示

顧客が自身の抱える問題について納得したい今、次はその解決策について納得させる番です。

利益アップやコスト削減、リスク緩和のチャンスをものにするために必要な具体的方法を、一つ一つ確認していきましょう。

課題解決の具体的な方法について:ソリューションの提案

同意を得たソリューションを、あなたが他の誰よりも上手く提供できることを、具体的に説明していきます。

意識するポイント明確にした独自のベネフィットを起点に、「お客様がベネフィットをとっくの昔に認識していないのはなぜか?」と自問すること

知見を全ステークホルダーに提供し、適応させましょう

指導的なアプローチで説明したベネフィットを今度は全ステークホルダーに共有し、動かしていくフェーズです。

決裁者、インパクター、キーマンなど、対象の内容の意思を決定する人を漏れなく確認して、対象者に伝える必要があります。

内容に納得しても、その内容が周りの方の賛同を得ていなければ動きません。コンセンサスを取るために必要なことは何かをしっかりと押さえましょう。

顧客はだんだん疑い深くなっている。その結果として、彼らはひたすらプロを求めている。
次なるロイヤルティドライバーを見ると、話はそこで終わらない。

(中略)販売員のプロ意識に次いで挙げられるのは、独自の価値ある視点を提供する能力やさまざまな問題で顧客を教え導く能力だった。

(中略)チャレンジャー販売員が適応させるものは、二つある。一つは、個々のステークホルダーのバリュードライバー(価値向上要因)に関する知識と、その人のビジネスの経済ドライバー(業績促進要因)に対する理解である。

営業プロセスを支配する

チャレンジャーは、お金の話をいとわず、また顧客に無理強いができます。また、勝ちにこだわり、これを実証できる。

そして、もう一つは営業プロセスの始めから終わりまで勢いを持続することが大切です。

なぜかというと、顧客はインサイトだけを受け取って、最後にはいちばん安い業者から買う、という行動に出かねないからです。

気をつけたいポイント
  • 値下げ
  • 御用聞きになること

『20%の値引きで、何を達成しようとお考えですか?』のように切り出すのがポイントである。

顧客の要請の根拠を明らかにするように心がけましょう。

また、顧客に気に入られようとして、受動的になりがちです。「自己主張」というスタンスを意識しながら、顧客の課題を解決するために必要な情報を提供することを心がけていきましょう。

何よりも重要なのは「聴く力」

売れる営業を実現するために必要なポイントは、「指導」「適応」「支配」ということがわかりました。

顧客に知見(インサイト)を提供すること。

それをするためには、まずは聴くこと。顧客が置かれている現状を把握することができなければ、課題とその課題に対するソリューションを提供・提案できないからです。

まずは、どんなことに困っているのか、それはなぜなのか、など課題解決に向けた現状をしっかりとヒアリングできるようにすることが何よりも重要です。