書評

【要約】アフターデジタル時代に勝つためのポイントまとめ

今回は、『アフターデジタル』という本の要約をしていきたいと思います。

AI、フィンテック、自動運転、ロボット、、、
デジタル化というと、さらに快適な未来を想像しますよね。

ただ、今回紹介する本は、少し「危機感」を覚えさせてくれる内容になっております。

アフターデジタルにはどんなことが書かれているのか、内容をまとめていきたいと思います。

アフターデジタルの要約:「常時デジタル環境に接続」している時代へ

表紙の右上にあることフレーズの紹介です。

 

「オフラインのない時代に生き残る」

 

なんだか、意味深な言葉です。

簡単にアフターデジタルの本を要約すると下記のようになるかと思います。

アフターデジタルの要約まとめ
  1. 私たちの生活が、常時デジタル環境と接続する
  2. 日本企業は「ビフォアデジタル」思考なので、このままだ他国に遅れを取る
  3. 膨大な顧客データが蓄積され、顧客IDと結びつき始めている。そのデータを活かして、リアルでの顧客体験価値を高くすることが競争原理になる
  4. OMO(Online Merge Offline)が到来する
  5. 顧客データと顧客IDを紐づけてサービスを提供する「プラットフォーマー」が覇者となる

ちょっと前までは、経済的にも途上であった中国が、今や『デジタル先進国』となっています。

今の日本企業の考え方は「ヤバイ」と警鐘する本かなと個人的には感じていて、今を生きるビジネスパーソンにオススメの本です。

株式会社ビービット/ 藤井保文さんとは?

この本の著者である藤井さんとはどんな人なのかざっくりとまとめます。

  • 株式会社ビービットの東アジア営業責任者
  • 2011年、ビービットにコンサルタントとして入社し、金融、教育、ECなどさまざまな企業のデジタルUX改善を支援

2017年から上海支社に勤務し、現在は現地の日系クライアントに対し、モノ指向企業からエクスペリエンス指向企業への変革を支援する、エクスペリエンスデザインコンサルティングを行っています。

藤井さんが現地で肌で感じていること、体験した内容が書かれております。

IT批評家/尾原和啓さんとは?

続いて、同じく著者である尾原さんのご紹介です。

  • 京都大学院で人工知能を研究
  • マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任
  • 「ITビジネスの原理」など数々の著書を出版している

発売3ヶ月で3万部を突破したとあって、中国をはじめとする、各国のデジタル化事情がまとめられています。

ビジネスリーダーにとって、企業変革の方法を考える際に大変参考になるでしょう。

アフターデジタルを読むのにオススメな人は?

この本を読むべき人は、ズバリ、これからを生きる社会人・ビジネスパーソンです。

  1. デジタル化している国々はどのような生活環境になっているのか?
  2. これからどんな時代が訪れるのか?
  3. これからの時代を生き延びるためには、どんな考え方が必要なのか?

上記のポイントがしっかりとまとめられております。

アフターデジタルとは「オフラインがなるなる」時代を指している

2018年、経済産業省が日本企業に対して、2025年までにデジタルトランスフォーメーション(DX)が進まないと、約12兆円の経済損失が生まれると警鐘をしていました。

この本でよく「アフターデジタル」というキーワードが登場してきます。

では、アフターデジタルとは何を指すのでしょうか?

 

それは、日常生活の中で「オフライン」がなくなることを指しています。

スマホが普及している中で、インターネットに繋がっていない時間はないと考える人もいるかもしれません。

しかし、ここで言う「オフラインがなくなる」と言うことは、すべての行動データがオンラインデータとなり、自分(顧客ID)と紐づく時代が来ると言うことを指しています。

どう言うことなのか、この後詳しく解説していきたいと思います。

デジタルシフトにされて、『オフライン』がなくなる

デジタルシフトすることで、この世界から、オフラインがなくなると言っています。

つまり、日常生活が「オンラインで繋がっている」世界が来ると言うことです。これはどういうことなのかを簡単に解説していきます。

りんごを買うとします。

デジタル化/オンライン化が進んでいますので、下記のようなデータは取得することが可能です。

  1. 1日のりんごの売上
  2. エリア別の売上

一方、日常生活が「オンラインで繋がる」ことでどのように変わるのか。オンラインで繋がることで下記のようなデータが取得できるのです。

  1. 誰が買ったのか
  2. いつ買ったのか
  3. どこで買ったのか
  4. それは何個で、どこ産で、いつ収穫されたものなのか
  5. ターゲットの属性(性別、価値観、趣味趣向、購入履歴など)

いつ、どこで、どのように(決済手段)購入したのかなどが明確になります。

さらに、購入するまでのプロセスもデータ化されます。

どういうことかというと

  • そのりんごをどのように知ったのか
  • 購入するまでにどんな広告を見たのか/比較したのか

オフラインがなくなる、つまり全てが「オンラインに繋がる」と、オンラインとオフラインの主従が逆転し、オンラインが「主」で、オフラインは信頼獲得可能な顧客との接点という「従」になっていくるのです。

アフターデジタルの要約/まとめ

ここからは、『アフターデジタル』に書かれている内容の要約/まとめをしていきたいと思います。

知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質

「知らずには生き残れない、デジタル化する世界の本質」は、第1章のタイトルでもあります。

ここでは、各国のデジタル化事情を簡単に紹介しています。

世界のデジタル事例まとめ

アフターデジタルでは、下記の3ヶ国のデジタル化事情を紹介しています。

  1. エストニア:電子国家
  2. スウェーデン:マイクロチップ
  3. 中国:モバイル決済

特に中国は現在、「デジタル先進国」として、この分野をリードしていると言っても過言ではありません。

生活のあらゆる点がスマホのアプリで完結している社会が実現していることはご存知でしょうか。

中国のデジタル化のきっかけは、モバイル決済です。全体の98%がモバイル決済を利用しているというデータもあります。

  • アリババ:アリペイ
  • テンセント:ウィーチャットペイ

アフターデジタルで何を伝えたかったのか

アフターデジタルでは、下記の内容を押さえて欲しいです。

  1. オフラインが存在しない
  2. 常時オンラインに接続している
  3. リアル世界がデジタル世界に包含される

なぜ、中国がデジタル先進国になったのか?

なぜ、中国はデジタル先進国になることができたのでしょうか。

デジタル化のきっかけはというと、モバイル決済の普及がポイントになっています。

モバイル決済によって顧客IDとデータが紐づけられている

アリペイは、ネット通販の大手であるアリババが提供しているモバイル決済サービスです。

モバイル決済サービスのシェアは約60%。現在、5億人以上が利用している、世界最大のモバイル決済アプリです。

もう一つは、テンセントが提供するウィーチャットペイ。

ウィーチャットという中国で最大規模のメッセンジャーアプリを提供している会社です。ウィーチャットの利用者は10億人を超えています。

もはやこのモバイル決済サービスなしでは、日常生活に支障をきたすレベルにまで浸透しているのです。

アリババが提供している『ジーマクレジット』とは?

ジーマクレジット(芝麻信用)とは、アリババグループの芝麻信用管理有限公司によって2015年から運営されている信用スコアサービスを指します。

ジーマクレジットとは?
  • 信用スコアは350~950で点数化していく
  • 下記の要素でスコアを構成している
    身分特質(社会的地位・身分、年齢、学歴、職業など)履行能力(過去の支払い状況や資産など)信用歴史(クレジット・取引履歴など)人脈関係(交友関係及び相手の身分、信用状況など)行為偏好(消費の際立った特徴や振り込みなど)

ジーマクレジットは、モバイル決済サービスのアリペイの付帯サービスとして登場したサービスで、『信用スコア』が上がると様々な得点を得ることができる仕組みです。

購買履歴、SNSの言動まで分析、AIに分析させて、信用スコアをはじき出します。

利用者は5億人。信用スコアを上げると、融資を得やすいなど日常生活において様々な得点が得られるため、みなさん『信用スコア』を上げるのに必死になっているようです。

結果的に、生活のマナーなどがよくなっていると報告されています。

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%9D%E9%BA%BB%E4%BF%A1%E7%94%A8

アフターデジタルで紹介されているビッグデータの活用事例

ここでは、デジタル化に伴うデータ活用の事例を紹介致します。

  1. アリペイ:ジーマクレジット
  2. ディディ:タクシーアプリ
  3. 平安保険:平安ドクターアプリ

タクシー配車アプリ「ディディ」でドライバー評価が可能

中国は、元々タクシー運転手の運転マナーなどが悪かったが、タクシー配車アプリ「ディディ」を活用することでそれが改善しているとのこと。

それは、ユーザーがドライバー評価をすることができるのです。良くなかったドライバーには、それ相応の評価/口コミを記載することが可能で、悪い口コミが蓄積されるとマッチングがしづらくなるという仕組み。

そのため、評価を上げるべく、ドライバー側は運転マナーやおもてなしなど、改善するようになったとのことです。

ディディがすごいのは、良くも悪くも徹底的に性悪説で、放っておいたら何をするか分からないので、「人は実利主義である」という認識の下、マナーの向上やサービス品質を一つひとつデータにとって可視化し、ドライバーに課題を課す仕組みを作って解決したこと

金融ビッグデータを活用する平安保険の戦略

中国の保険業界について、フィンテック分野をリードしている平安保険です。

平安保険では、『IT*金融*生活サービスの融合』を軸として、様々なサービスをインターネット上から利用することができます。

平安保険でできること
  1. 快速問診:オンライン上問診サービス
  2. 探医生:実際に掛かった人のクチコミや評価を見ながらドクター単位で予約受診できる
  3. 閃電購薬:処方薬の通販サイト
  4. 健康商城:サプリや処方不要の漢方薬の通販サイト
  5. 健康頭條:健康に関する様々なニュースをチェックできる

現在は、約4億人のユーザーが平安ドクターアプリを利用しています。

4億人の行動データを活用して、平安保険は様々なサービスをユーザー側に提供することができるのです。

アフターデジタル時代のOMO型ビジネスを理解する~必要な視点転換~

これからのビジネスを考えていくにあたり『アフターデジタル』『ビフォアデジタル』という考え方を理解する必要があります。

ビフォアデジタルとは?

ビフォアデジタルとは?
  1. サービス提供は、リアル店舗など対面で販売している
  2. たまにネットにお客様が来てくれる

つまり、インターネットの役割は補完的な意味合いが大きいということです。

アフターデジタルとビフォアデジタルの違い

『アフターデジタル』と『ビフォアデジタル』の違いはなんなのかというと、デジタル化に対する考え方です。

アフターデジタルでは、モバイルやIoT、行動データを高頻度に取得できるモバイルデバイスやセンサーが普及すると、行動データが取得できないオフライン行動はなくなり、オンラインにオフラインが包含されていきます。

アフターデジタル時代にこそ、リアルの体験価値が重要

アフターデジタルによって、オフライン体験・リアル体験は必要なくなるのかという疑問が出てきますが、アフターデジタル時代にこそ、リアルの体験価値が重要になってきます。

行動データが顧客IDに紐づくことで、リアル体験やカスタマーエクスペリエンスを良くすることが大切だから

アフターデジタルでは、「顧客にずっと寄り添う」ことが主目的になります。商品を購入した後の関係を作るには、商品購入の際に「どのようにして次につなげるか」といった視点が必要になってきます。

OMO(Online Merge Offline)とは?

アフターデジタルに登場する、『OMO(Online Merge Offline)』とはどういう意味を持つのでしょうか。

OMO(Online Merge Offline)とは、オンラインとオフラインが融合することを指しています。つまり、日常生活が『オンライン化』するということです。

何がそんなにすごいのか。

そう思う人もいるかもしれませんが、社会基盤・ビジネスモデルにも革命が起きるということ。

データが生み出され続け、それが顧客IDと紐づく。データが紐づくことで、ユーザー体験に変化を生み出し、良くなっていく。

購買・行動データを基に抵抗するサービスの質に変化が現れるので、今までのルールがガラッと変わっていくことがわかります。

OMOの4つの発生条件とは?

OMOは、グーグルチャイナの元CEOで、現在イノベーションベンチャーズを率いる李 開復 氏が2017年9月に提唱した考え方であり、以下条件がOMOが発生する際に必要な要素となっています。

  1. スマートフォンおよびモバイルネットワークの普及。いつでもどこでもデータを取得できる状態が生まれる
  2. モバイル決済浸透率の上昇する
  3. リアルの世界の動作をリアルタイムでデジタル化し、活用が可能になる
  4. 自動化されたロボット、人口知能の普及

オンラインとオフラインは既に溶け合って違いはなくなりつつあって、顧客はチャネルでは考えず、その時に一番便利な方法を選ぶようになります。

その時、企業側は様々な選択肢を提供していくことが重要になります。

まとめ

アフターデジタル時代のビジネス原理は、次の2つにまとめることができます。

  1. 高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
  2. ターゲットだけでなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供する

アフターデジタルを背景に行動データから様々なことが分かる時代になりつつあることを考えると、テクノロジーを活用して状況を把握し、その市場ボリュームを把握しながらビジネスを組み立てることが今後の鍵になると考えます。