「自分には発想力がない」
「新しいアイデアが思いつかない」
と、思ったことがある人は多いと思います。
僕もそう言った人の中の1人ですが、
「じゃあ、どうすれば発想力を向上させることができるのか」
そう思って、板橋氏著『-ビジネスモデルを見える化する-ピクト図解』を読みました。

既存のビジネスモデルの事例をあげて、解説してくれる本書は非常に読みやすく、ポイントを自分の中に落とし込めたと思います。
アイデアを出すという点において、やり方は2つあると思います。
- 発想する
- 類推する
1つ目の、「発想する」というものは、「パッと、思い浮かぶ」と言ったように、断片的なイメージ。
2つ目の、「類推する」に関しては、何らかの既存の概念から、イメージして考えていくイメージ。
どちらにも、共通しているポイントは、「既存のアイデアを基に思考している」ということ。
つまり、新しいアイデアを思い浮かんだり、発想力を高めるためには、「既存のアイデアと既存のアイデアを結びつける」ということが重要であるということだと思います。
それをするためは、既存の事例をストックさせておくことが大切であった、それを簡単に、見える化して理解できる方法が「ピクト図解」です。
今回の記事を通して
- ビジネスモデルの理解において、大切な要素は何なのか
- ピクト図解の方法とは
- ビジネスモデルの8つのパターンとは
- 新しいアイデアを生み出す思考方法2つとは
という4つのポイントを伝えられればと思います。
ビジネスモデルを読み解くための『ピクト図解』とは?
まず、ビジネスモデルを理解する上で、必要な要素は『3W1H』です。
つまり、「誰が」「誰に」「何を」「どのくらいで」という、サービス提供側と顧客とのサービスのやりとりと、「販売」と「支払い」という関係性を結びつける要素。

「①ヒト」「②モノ」「③カネ」の3要素を見える化する方法が「ピクト図解」です。
例えば、『物販系のビジネスモデル』について考えてみましょう。
「誰が」つまり、ビジネスの主体となる「ヒト」を考えます。法人の場合は、長方形で表します。
そして、「誰に」。つまり、ターゲットとなる顧客(ヒト)を考えて、次に「何を」という「どのようなサービスを提供しているのか」を考えます。
それは、「◯」で表します。
最後に、「どのくらいで」という、そのサービスとの対価となるもの(お金)とを結び完成です。
『物販系のビジネスモデル』は、下図のようになります。
物販系のビジネスモデル

このように、ピクト図解を利用することで、対象のビジネスの仕組みを見える化することができるのです。
ビジネスモデルの8つのパターンとは?
ピクト図解によって、ビジネスモデルを理解する上で大切な『3W1H』、つまり「ヒト」「モノ」「カネ」の構造が見える化されて、ビジネスモデルが捉えやすくなり、理解を深めることが可能となります。
あらゆるビジネスモデルを理解するために、代表的な8つのモデルを紹介します。
- 物販モデル
- 小売モデル
- 広告モデル
- 合計モデル
- 二次利用モデル
- 消耗品モデル
- 継続モデル
- マッチングモデル
1.物販モデル
先ほども紹介したビジネスモデルです。
ビジネスの主体が、商品・サービスを開発し、それを顧客に提供して、その対価を受け取るというビジネスモデル。
これは、サービス自体に優位性があることや、サービス提供時に如何に顧客満足を与えられるかがキーポイントになってくるビジネスモデルです。
2.小売モデル
商品を作らずに、商品・サービスを仕入れてきて、顧客に売るビジネスモデル。
スーパーやデパート、コンビニ、インターネット通販などがこのビジネスモデルに該当してきます。
3.広告モデル
商品・サービスの価格を無料化、もしくは低価格に抑えて、広告で大きな収益を上げる仕組みです。
例えば、写真共有サービスのInstagramなんかは、写真を共有できるプラットフォーム自体の利用を無料で開放し、法人からの広告収入というビジネスモデルになっています。
4.合計モデル
顧客を集客する商品・サービスを用意していて、「ついで買い」を誘発するビジネスモデルです。
例えば、旅行会社などで旅行チケットなどを購入した時、オプションで「◯◯ツアー」などのサービスを販売しています。
5.二次利用モデル
商品・サービスを2度3度と再利用する仕組みです。
再利用する際は、開発コストが抑えられるので、非常にコストパフォーマンスが良いビジネスモデルだと言えます。
例えば、AKB48なんかは、AKB48というアイドルユニットでありながら、ソロ活動、ユニット活動など幅を利かせていますよね。
つまり、経営資源の強みを思う存分活用できる仕組みではないでしょうか。
6.消耗品モデル
商品・サービス自体の価格を下げ、利用しやすくして、それに伴う消耗品などを定期購入してもらって、収益を上げていくビジネスモデル。
例えば、コピー機だったり、髭剃りなどが挙げられます。
7.継続モデル
商品・サービスを定期的に使い続けてもらうことで収益を上げる仕組みです。
定額型音楽サービスであるApple Music、LINE Music、月額映画見放題のHuluなどの「サブスクリプションサービス」が例に挙げられます。
8.マッチングモデル
商品・サービスを利用する側とユーザーとを仲介するビジネスモデル。
このビジネスモデルでは、マッチングする「場」を提供しているということ。
不動産販売の仲介業などがこの仕組みを利用しています。
これらの8つのビジネスモデルの基本パターンを理解しておくことで、様々なビジネスモデルを見える化する時に役立ちます。
「このビジネスは何で収益を上げているのか」
そういった疑問を抱いた時に、上記の8つを理解しておくことで、ピクト図解も描きやすいでしょう。
新しいアイデアを生み出すための2つの思考法とは?
冒頭でも述べたように、「新しいアイデアを生み出すために必要なもの」は、「発想思考」と「類推思考」です。
そして、2つの思考法を実践する上で必要なポイントは、「既存のアイデアを理解している」ということ。
例えば、新しいビジネスモデルや、儲かる仕組みを考える上で、ベースとなる要素は、「既存のビジネスモデルの理解」です。
「あの会社は、どのように儲けているのか?」という疑問のもと、様々な業界・業態のビジネスモデルを理解し、それらを頭にストックさせ、それらを組み合わせる。
それによって、新しいビジネスモデルのアイデアが生まれるのです。
ピクト図解は、そのビジネスモデルの理解の後押しをしてくれるツール。
ぜひ、使えるようになりたいですね。