記事『最安を謳うEコマースサイト「Jet.com」はAmazonの脅威になるか?』を読みました。
EC業界に、Amazonを脅かす存在のスタートアップ企業が注目を集めていうようです。
世界的に見たら、Amazonの存在が大きすぎて、太刀打ちできる企業がない中、『Jet.com』が2億2000万ドルの資金を調達し、1万人限定のベータ版のサービスを開始しました。
ビジネスモデルも興味深く、会員制ディスカウントストアのコストコのように、年会費50ドル支払います。
カートに入れた商品の合計金額に応じて、商品価格がリアルタイムで変動し、安く商品を変えるのです。
そんな激しい競争を繰り広げるEC業界。
では、日本のEC業界の市場規模はどのくらいで、今後の展望はどのようになるのかということを考えていきたいと思います。
2020年、日本のEC業界は25兆円規模に成長する

日本のEコマースの市場規模は、2014年8月に公表された2013年のマーケット規模は、11兆6600億円となりました(参照:経済産業省)。
これは、前年比17.4%の増加となっているようです。また、2014年には約13兆円に規模を拡大させています。
日本の小売業界の市場規模が約300兆円。
それを踏まえると、インターネットを経由して商品を購入している比率は4%にも満たない状態で、今後も拡大する方向で進んでいくでしょう。
今後50兆円規模のマーケットへ
インターネット、スマートフォンなどの普及により、ライフスタイルの変化、インターネットを介した購買行動が増えました。その中で、ECのためのビジネス環境も整っていき、今後も拡大する一方であると予想できます。
小売りサービスが現在、全体で約300兆円なので、将来は60兆円市場になるという試算だ。つまり、現在の11兆円を差し引くと残り約50兆円が今後市場に創出される。
企業レベルに話を落とし込むと、楽天の流通金額規模が一番大きく、その額は2兆100億円(2014年度)。
続いてAmazonが2番目となっており、日本の流通金額は1兆3000億円でした(2014年度)。
そのほか、YahooショッピングやZOZOTOWN、DeNAショッピングなどの大手のEC業者が続き、楽天・Amazonとそれらを含めた合計取引金額が約4兆円規模です。
したがって、残りの10兆円規模分を自社サイトを持つ企業や各企業のEC事業、個人事業主などで争っているということになります。
ネットショップは毎年、10万店が新規出店すると言われています。
今後もリアル店舗からEC事業への拡大・移行という動きは増えていくでしょう。
急成長するEC業界の今後の展望は?
O2O市場として、躍進しているEC業界ですが、C2C(個人間取引)市場の拡大というものがあります。
フリマアプリの登場
今まではC2C市場というと、ヤフオクやモバオクなどのオークションが主流でしたが、現在はスマホで簡単に出品や購入ができる『メルカリ』『LINE MALL』『Fril』が登場しました。
メルカリは、販売価格の10%を「販売手数料」として発生させマネタイズを行っています。
LINE MALLは、LINEでつながっている友人にギフト商品を送ることができる、『LINEギフト』など独自のプラットフォームを生かしたビジネス展開を行っています。
拡大するインスタントコマース
誰でも簡単にオンラインストアを作ることができ、商品を売りたいという人に対してのハードルをぐっと下げる要因となっています。
『STORES.JP』内の店舗数は、現在17万店舗を超えていて、強豪である『BASE』は10万店舗まで拡大させています。
今後も、C2C市場が大きくなると予想されます。
カスタマイズECの登場
Web上で自分好みにカスタマイズし、自分だけの商品を作成することがサービスです。
4,980円でオーダーメイドのシャツを作成することができる『CHOiCE』などがサービスを展開しています。
今後は、ファッションだけでなく、家具や食品など他ジャンルにサービスが展開していくかもしれません。
ECサイトのコンテンツ化・メディア化
ECサイトにおいて、商品の画像や説明だけで(潜在的な)お客さんを呼び込む時代は終わりつつあります。
今後はソーシャルメディアなどを利用して情報を発信したり、オウンドメディアからコンテンツを提供して、サイト訪問者を増やすような取り組みが増えてくるでしょう。
リスティング広告やメルマガなどのプッシュ型のマーケティングから、情報を発信してサイトを『メディア化』して、お客さんを集客するインバウンドマーケティングの重要性が上がるのではないかと思います。