「結果にコミットする」というキャッチフレーズでお馴染みのRIZAP(ライザップ)成長率が凄すぎます。
売上規模と企業価値を爆発的に伸ばしているライザップから戦略思考、マーケティングなど学べるポイントは多いはず。
なぜ、ライザップはこんなにも成長することができたのか考えてみました。
目次
ライザップ基本データまとめ
まずは、ライザップの基本データをまとめます。
売上は9期連続増収!しかも過去最高
ライザップの決算説明書資料によると、2019年3月期の第一四半期の売上は521億円。
9年連続で増収です。

※引用:『ライザップ決算報告資料より』
2018年3月期の売上は1,362億円だった
2018年3月期の売上高の計画は1500億円を計画していました。

※引用:『ライザップ決算報告資料より』
2018年3月期の売上着地は1,362億円。

※引用:『ライザップ決算報告資料より』
計画よりも下振れでしたが、前年期と比べると140%以上の増加でした。
2019年3月期の上期に関しては、主力事業への先行投資に注力していて、これからその投資した事業が実を結んでいきそうですね。
ライザップのこれまでの売上推移
直近の売上高の推移は下記の通りです。

2014年度の売上高は、約230億円でしたので、2018年3月期と比較すると、
なんと7倍。
2019年3月期の売上高の計画は2500億円という見通しです。
ライザップの会員数は10万人超え
ライザップのボディメイク事業の会員数はというと、10万人を突破しました(2018年2月時点)。

※引用:「ライザップ決算説明資料」
出店店舗数も200店舗と社会全体にライザップのボディメイクの認知度が浸透しているのが分かります。
「ライザップを知っていますか?」という問いに対して、「知っている」と回答する割合は90%にも上るそうです。
RIZAP GOLF、RIZAP ENGLISHの会員数も10,000人を突破
RIZAP GOLF、RIZAP ENGLISHの会員数も10,000人という大台を突破しました。
RIZAPで蓄積されたノウハウの横展開と市場への認知形成が成功していますね。

※引用:『ライザップ決算報告資料より』
事業の高く戦略で数々のM&Aに成功
アパレル、人材、金融など様々な業界の企業をM&Aを実施し、事業を拡大しています。
- マルコ
- IDEA
- 夢展望
- パスポート
- ぱど
- 堀田丸正
- スカイディノス
- ジーンズメイト
と上場企業の子会社も伸ばしています。
ライザップの成功ポイントはブルーオーシャン戦略とブランディング戦略にあり?!
今やダイエット市場は2兆円規模にまで大きくなりました
(健康食品・サプリメントなどの市場も含む)。
また、フィットネス業界の規模は、4000億円を超えるほどまでに成長しており、
フィットネスクラブの会員数は、のべ400万人と言われています。
施設数も年々増え、「痩せたい」などの課題を解決したいニーズは大きくなってきています。
マーケット自体は、サービスの差別化も難しく、コモディティ化に伴って完全にレッドオーシャン化していました。
顕在/潜在、課題/欲求の軸で、差別化戦略に成功!
顕在/潜在、課題/欲求の2軸で分析すると、完全に今までとは違ったコンセプトで、マーケットを開拓することに成功しました。

『結果にコミット』で他社とのサービス優位性をつくることができた
ダイエット、フィットネス市場へのサービスは、ボディメイクするための場所の提供、道具の提供などがメインでした。
そこに『結果にコミット』ということで、「痩せるノウハウ」や「憧れのボディを手に入れるためのサポート」という価値をつくったのです。

※引用:『ライザップ決算報告資料より』
また、潜在層へのアプローチ、「痩せたい!」というニーズが顕在化している層ではないセグメントへの訴求は難しいですが、あのビフォー&アフターが印象的なプロモーションによってそこを開拓していきました。

プロモーション戦略が圧倒的に上手い
Webプロモーション含めて、伝え方が圧倒的に上手いです。
「痩せたい」というニーズを抱えているお客様が気にしているのは、ご存知の通り【体型】です。
この動画のように、【今の自分の体型】と【憧れの体型】とを掛け合わせた動画は瞬く間に話題を呼びました。
また、ライザップの子会社には健康コーポレーションという企業もあります。
こちらでは健康食品などの通販事業に注力した企業。

広告の目的は『ブランド広告』『レンスポンス広告』の2種類あります。
健康コーポレーションでは、レスポンス広告の戦略・運用が上手く、特にアフィリエイト広告などの運用によって上記のような商品も爆発的に売れていました。
これらの商品は現在の美容・ヘルスケア事業と比べると、顧客単価は低いかもしれません。
しかし、初回の販売価格を手に取りやすい価格設定し、
- まず、使ってみる
- リピートしてもらう
購入継続回数を最大化することによって、LTV(Life Time Value)を伸ばすことができました。

各業界へイノベーションを起こしていく思考方法は?
マーケット自体が「成長期」「成熟期」へと移行したときの今後の展開をどのように考えていくか。
それは
- LTV(Life Time Value)を伸ばす
- 新しい事業への拡大
です。
ボディマネジメントプログラムで「体型維持」にコミット!
今までは2ヶ月間で理想的なカラダを実現するというコンセプトのもとで、事業を進めてきました。
その中で、LTVを伸ばすという点に着目。
体型維持というコンセプトを打ち出し、LTVの拡大とストック型のビジネスモデルへと移行することを可能にしたのです。
拡大戦略を考えるためのフレームワーク「製品(サービス)×市場」の考え方
事業の成長戦略を、「製品(サービス)」と「市場(マーケット)」で整理して考えることができます。

「既存製品(サービス)」×「既存市場(マーケット)」からどのように事業を成長させていくかを考えていくのです。

ライザップがM&Aした企業の中にジーンズメイトなどのアパレル企業もあります。
これは理想的な体型を手に入れたら、
次は格好良いファッションが欲しくなるという仮説の元での戦略ということも想像できますね。
また、ライザップメソッドの多角化展開ということで自己投資産業の市場規模は7兆円にも上ります。
- ヘルスケア、美容:2兆円
- スポーツ用品、ウェア:1.9兆円
- ゴルフ:1.4兆円
- ビジネススキル:4,900億円
- 英語教育:3,100億円
ライザップメソッドである、モチベーション管理が他の市場でも浸透していくのではないでしょうか。
まとめ:勝てそうな事業領域を踏まえた戦略がポイントということ
企業戦略として
- O企業(外部機会の捕捉=速さ:成長期に適する)
- Q企業(内部コンピタンスの強化=深さ:成熟期に適する)
の2つの企業があると思います。
いきなり付加価値を最大化してQ企業になろうとするのではなく、「勝てそうな」事業領域を適切に選択してO企業になるのがベター。
そのためには、顕在/潜在、課題/欲求の軸で、自分が持っている独自性を活かしながら未開拓の領域へのアプローチというのが必要不可欠になるでしょう。