インターネットやスマートフォンなどが普及したことで、インターネットを介したビジネス展開が必須となってきました。
デジタルビジネス世界において、Burberry(バーバリー)が多彩なデジタル戦略を実施し、成功を収めています。
創業1856年の老舗ブランドは、デジタルによっていかに成功を収めたのでしょうか。
ブランド価値の再定義『ミッションは何なのか?』
Burberry(バーバリー)は、トーマス・バーバリーが1856年に設立した英国のファッションブランドです。
Burberry(バーバリー)が開発したトレンチコートは、デザイン性と実用性に優れたコートとして英国陸海軍で愛用されていました。
その後『バーバリー・コート』として数多くの著名人が愛好するようになったのです。
『バーバリー・コート』作りの原点回帰として、Burberry(バーバリー)は、デジタル戦略を行う上で、ブランド価値の再定義を行いました。
わたしたちのブランドの出自は『コート作り』にあります。コートから始まった高級ブランドはほかにはありません。ですから、その出自を最大限に生かし、いまの時代にふさわしいかたちで、その価値を再生することを掲げました。
「始まりはコート屋だった。」というBurberry(バーバリー)の原点。
もともとは、特別な人たちのための服ではなく、多くの人たちが愛用することができるブランドというブランド価値を再認識して、「誰もが着ることができる素敵な服」とブランドの価値を再定義しました。
メインターゲットの設定
Burberry(バーバリー)は、ブランド価値、つまりコンセプトを設定した上で、『メインターゲット』を再定義しました。
そのターゲットですが、他の高級ラグジュアリーブランドとは逆行したポジショニングを実施しています。
ほかのラグジュアリーブランドは、1990年代以降生まれの世代をターゲットとして設定することはしていませんでした。ならば、そこを狙おうと考えたのです。
アンジェラ・アーレンツ
多くのラグジュアリーブランドは、『30代以上』をターゲットと設定していますが、Burberry(バーバリー)は、20代以下の若者をターゲットとしました。
ソーシャルメディアを駆使した、最先端のマーケティング戦略の実施
メインターゲットとして設定された『20代以下』の人たちは、FacebookやTwitter、Instagram(インスタグラム)などのSNSを利用し、Web戦略に注力したのです。
ソーシャルメディアを利用するメリットは何か?
- メインターゲットである20代以下の人たちの利用率が高い
- 顧客ロイヤリティを高められる
- 拡散力に優れていて、潜在的なユーザーにもアプローチをすることができる
その中でも業界を驚かせた取り組みが、『Runway To Reality』というプロジェクトでしょう。
ライヴストリーミングを観ている視聴者が、いまそこで披露されているプロダクトをショーの終了と同時に注文できるようにすることを考えました。
ソーシャルメディアをeコマースに直結させることで、『体験型』のコンテンツを作成。
また、インターネットを駆使して、ユーザー参加型のサイト『Art Of The Trench』をローンチ。
これは、バーバリーのトレンチコートを着た人なら誰でも写真を投稿することができるこのサイト。
ユーザーの自由なカスタマイズや着こなしを奨励するサービスとして、世界中から寄せられる個性的なトレンチコートのスタイルを記録しました。こういったWeb戦略によって、顧客ロイヤリティを高めることができたのでしょう。
まとめ
Burberry(バーバリー)は、プロモーションだけでなく、Eコマースにおいても、人々に対して開かれたブランドを確立しました。
ブランドとしての強い一貫性があって、そこが魅力であり、今までアプローチすることができなかった顧客層にもアプローチすることができることが強みでしょう。
それを可能にしたのも、徹底的なコンセプト、メインターゲットの確立であると思います。
『自分たちは何のために存在するのか?」「誰に対して、サービスを提供するのか?」という課題に対するWeb戦略。そういった意味では、他ブランドにはない地位を確立しているのではと思います。